常識壊す牝馬の蹄跡
2025.05.27
コラム「四季の風」
◆2007年5月27日、東京競馬場が沸いた。第74回東京優駿、通称日本ダービーで牝馬・ウオッカが優勝したのだ。日本ダービーで牝馬が優勝したのは64年ぶり。数多の牡馬を追い抜き、常識を覆した若き牝馬の活躍は、今なお語り継がれている。
◆常識を覆す。口で言うのは簡単だが、現実は厳しい。「建設業界で女性が働くのは難しい」という意識は、業界の常識であるかのように根を張り、今なお女性技術者に厳しい目が向けられることもあるという。男性社会の業界だったことは事実だが、それでも時代は着実に進んでいる。
◆行政も企業も、女性活躍のための支援に積極的な傾向にある。常識は壊されつつあり、女性技術者が「女性」ではなく「人」として現場に立つという当たり前が、どこでも通用する社会に、間違いなく近づいている。
◆弊誌では「建設業で活躍する女性経営者の顔」を連載中だ。女性が快適に働ける職場環境について、今一度考えるきっかけとしてほしい。牡馬に負けぬ走りをし、牝馬の時代をもたらした名馬に思いを馳せながら、今日改めて建設業界の女性活躍を願う。(S)