コラム「四季の風」

日本刀に宿る歴史と想い

2025.03.18

コラム「四季の風」

 ◆日本刀に魅了される人は多い。マンガやゲームなどの人気を受けて、その影響はさらに広がったように思える。私も魅了されたうちの一人。刀身の刃文の違いを見たり、つばや鞘などの刀装具の装飾を食い入るように見てしまう。その美しさに引き込まれると同時に、刀が歩んだ歴史を考えずにはいられない。

 ◆古河歴史博物館で現在「雪華の刀装-土井利位の愛刀と工人たち」が開かれている。古河藩主土井利位は、天保改革期に幕府老中をつとめた人物。雪の結晶について観察・研究を行い、その雪華に美を見出して工芸品に取り込み江戸文化に新しい流行を生み出した。チラシを見ると、つばや鞘などに雪花模様をモチーフにした装飾を見ることができる。

 ◆古河歴史博物館のほかにも、県内で刀剣の展示を行っている博物館は多い。自然災害や戦争で被災し失われてしまったものが多い中、現代まで伝わってきた日本刀。ひとつひとつに日本の歴史と時代背景に隠された思いなどが宿っていると考えると、実際にこの目で見て感じてみたいとなってしまう。まずは古河市、雪華の世界を楽しんでみたい。(K)

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