茨城の歴史点描

茨城の歴史点描㊷ 茨城のみち

2022.12.20

茨城の歴史点描

茨城県立歴史館史料学芸部 特任研究員 永井 博

 茨城県立歴史館は、博物館であると同時に文書館(アーカイブズ=記録資料館)でもあります。歴史資料課と行政資料課というセクションがあり、ふだんは展覧会を担当することなく、黙々と古文書や県庁の行政文書を受け入れて、公開に向けての整理、目録作成という地道な毎日を過ごしています。
 かくいう私も古文書を担当する歴史資料課に属しているのですが、同じく行政文書を担当する行政資料課と共同で、「地道な業務」を県民の皆様にご理解いただくべく、毎年一回「アーカイブズ展(アーカイブズの部屋)」を開催しています。
 今年も十二月十日から来年一月二十九日までの日程で展示をしています。今回はそのご紹介です。
 テーマは行政資料課が「茨城のみち」、歴史資料課が「将軍・天下人たちの文書―鎌倉殿から家康まで―」ですが、今回は、前者をご紹介しましょう。
 展示概要を一言でいえば、茨城県の主に道路建設をテーマとして、昭和二十年代から五十年代の行政文書を中心に写真を交えて、わかりやすくふりかえる、というものです。
 具体的には、土木部道路建設課作成の「水戸・勝田都市計画道路改築工事裁決申請関係綴」(昭和五十二年)や土木部高速道路対策室作成の「常磐自動車道関係綴」(昭和四十八年)といった類の行政文書が展示されています。
 ほかに一般の方にも興味をもっていただけるように、さまざまな豆知識的なコラムを随所に交えています。たとえば「トンネル(隧道)の話」と題した記事には、県内のトンネルの数は五六本で全国的には下から四番目に少ない数とあります。これは私も初耳でした。
 実は歴史館では、県庁の日常業務で作成された多くの簿冊のうち、「歴史的公文書」とされるものを整理し、作成から三〇年経過した時点で公開しています。なかでも土木部と農林水産部関係の文書が多く、これまでの各所の開発の経過を具体的に知ることができます。これは当館ホームページの「資料閲覧」タグのなかで検索ができ、閲覧室で、どなたでもご覧になることができます。
 さて、展示に戻りましょう。所蔵資料には、行政文書だけでなく、県の広報紙で使われた写真もありますが、今回はその中から道路や河川、鉄道に関する写真を展示しています。おもに昭和三十、四十年代の写真ですが、未舗装で狭い道路などの画像をみると、今日のインフラ整備のすばらしさと、その恩恵を感じないではいられません。

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