コラム「四季の風」

その手が守られる世界に

2024.02.06

コラム「四季の風」

◆漫画や小説を原作としたドラマ、映画は数知れない。ファンの反応は様々だが、毎年多くの作品が映像化され、話題になっている。そんな中、痛ましい一報が駆け巡った。漫画原作の実写ドラマを巡っての騒動の末に、原作者が自ら死を選ぶという事件。苦心して生み出した作品が守られなかった経緯をSNSで発信した直後の、あまりに悲しい結末だった。

◆原作者が出したドラマ化の条件である「原作に忠実であること」が守られなかったという。そのことを発端にいくつもの要因が重なり、最悪の結果を招いた。あらゆる立場の人が『作り手』への敬意を持っていれば、こうした結果は避けられたはずだ。

◆キャラクターを生み出し、絵やコマ割りを工夫しながら世界を創造する漫画家も、人物像を練り上げ言葉を紡ぎ、ストーリーをまとめ上げる脚本家も、創作の難しさを知る者同士のはず。今後も原作ありきの映像化作品を作り続けるなら、同じ悲劇を繰り返さないためにも、作り手同士が互いを尊重し合える環境づくりが欠かせない。世界を生み出す、かけがえのない手が守られることを心から願う。(S)

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