コラム「四季の風」

復興の一歩、10年後の今

2021.03.09

コラム「四季の風」

◆地位も権力も関係なく、全ての人を襲う自然災害。人類は常にその脅威に晒されてきたにもかかわらず、時が過ぎればいずれその記憶を忘れ去ってしまう。記憶の継承のために人間ができることは何なのか、今一度考えてみたい。

◆10年前、東日本全土を襲った震災時、茨城県もまた甚大な被害を受けた。北茨城市では、地域のシンボルである六角堂の流失などにより、在りし日の景勝が失われた。津波に町を飲まれ、町の象徴すら奪われた地元の人々の喪失感は計り知れない。

◆六角堂復興への動き出しは早かった。海底捜索や構造の検討など、創建当時の六角堂を取り戻すべく、県内外問わず、国境すら越えて多くの人々が動いた。シンボルの復活とはつまり、人々の心の拠り所を取り戻すための、復興の一歩である。たくさんの、祈るような思いを込められ、六角堂は震災の翌年に見事再建した。

◆建物の再建、復興、その歴史を語り継ぐこと。一人ひとりが、自分にできることを探し、行動していくことが肝要なのだろう。東日本大震災から10年の時が過ぎようとしている今こそ、あの日の恐怖、そこに生まれた希望を思い出し、語り合うべきではないか(S)

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