コラム「四季の風」

恐竜は今なお生きる

2022.08.30

コラム「四季の風」

◆現代に復活した恐竜と人間との関わりを描く映画『ジュラシック・パーク』シリーズが完結した。初代の『ジュラシック・パーク』が映画化されたのは1993年。約30年に渡って続いたシリーズの完結は寂しいが、最後まで迫力ある映像で楽しませてくれた。

◆最新作『ジュラシックワールド・新たなる支配者』では、恐竜と人間とが混在する現代社会の様子が描かれる。工事現場を横切る首長竜を見守る場面は、穏やかながら印象的だった。

◆個人的に、どのシリーズでも印象に残るのは首長竜のシーンだ。獰猛な恐竜から逃げ惑う場面が続いた後、首長竜の泰然たる姿を見るとほっとする。『炎の王国』では、噴火する島から逃げることが出来ず、鳴き声を上げるばかりだったブラキオサウルスの姿が悲しくも美しく、切なかった。

◆現代に蘇った恐竜の姿は雄々しく、ロマンがあった。多くの恐竜好きを生んだきっかけにもなっただろう。今もなお、恐竜の新たな生態が、次々に解明されている。映画のシリーズが完結しても、そこから生まれた恐竜への愛や情熱は消えずに生き続けるのだろう。(S)

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