コラム「四季の風」

拝啓、日本郵便の父へ

2021.11.23

コラム「四季の風」

◆11月23日は、いいふみの日だ。電話やメール、SNSが普及した今、手紙の出番は大きく減ったことだろう。スマホの画面をタップするだけで要件を伝えられる現代、私用での郵便制度の活用は滅多にしなくなった

◆大河ドラマ『青天を衝け』では、前島密の活躍も描かれた。御一新ののち、郵便制度の創設に向けて積極的に働きかけたほか、郵便、切手などの言葉も生み出した。「日本近代郵便の父」と呼ばれ、1円切手にも肖像が描かれており、その功績は今なお讃えられている

◆ドラマの中では、試験的に出した手紙の無事の到着を待ち侘びる渋沢栄一の姿が描かれた。今や当たり前になった制度が、初めて正しく機能した瞬間には、視聴者である自分も胸が熱くなった。どんな制度にも、生まれるまでの歴史があり、生み出した人間がいる

◆一通の手紙を人から人へ、正しく届けるための制度を生み出した人の情熱が、今も郵便の名のもとに燃えているように思う。現代を生きる我々も、文明の利器に甘えてばかりいないで、たまには切手を貼った手紙をポストに投函、という手間を楽しんでみてもいいかもしれない。(S)

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