コラム「四季の風」

19年連続の快挙

2025.09.23

コラム「四季の風」

 ◆人類に大きく貢献した人物に贈られる「ノーベル賞」。世界で最も栄誉のある賞の1つだ。そのパロディーとして、一風変わった研究に与えられるのが「イグ・ノーベル賞」。今年のイグ・ノーベル賞で、日本の農業・食品産業技術総合研究機構チームが生物学賞を受賞した◆研究テーマは“シマウシ”。黒い牛にシマウマ模様を施すとアブなどが寄りつきにくくなり、ストレス軽減や感染症防止などの効果が得られる、というもの。“シマウシ”の語感は日本語のものだが、牛を馬に見立てるという感覚は、まさに「人々を笑わせ、考えさせる」という賞の理念にぴったりだ◆日本人の受賞は、これで19年連続だという。派手さはないが世の中の役に立ち、なおかつクスッと笑ってしまうユーモラスな研究は、まさに日本人向きとも言える◆こうした研究は、個性や独創性を大切にすることから生まれる。ダイバーシティ(多様性)やインクルージョン(受容)といった考え方は、可能性を広げることにもつながるだろう。難解な研究は本家に任せるとして、今後もイグ・ノーベル賞ものの研究が世間にあふれてほしいものだ。(H)

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