コラム「四季の風」

次から次へと、薄紅色

2025.02.04

コラム「四季の風」

◆背筋が伸びるような香りにつられ顔を上げると、寒紅梅がほころんでいた。偕楽園でも徐々に梅の花が咲き始めている。早いもので1月も終わり、2月に突入した。そして来たる2月11日には、偕楽園の梅まつりが始まる。

◆梅まつりの期間中は、様々な催し物を予定している。園内でのライトアップや梅酒まつり、中には市内のお店が独自に考案したオリジナルの梅酒カクテルのコンテストという、なんとも心惹かれるイベントも。大人も充分楽しめそうだ。

◆また、3月には古河市で桃まつりが開催される。古河の花桃の歴史は、1633年まで遡る。時の古河藩主・土井利勝が、領内で薪が不足している状況を耳にし、成長が早く、実は食料にもなる桃を植え、育てるよう奨励したという。以後、古河といえば花桃というイメージが定着した。花桃もまた、深まる春を知らせてくれる存在だ。

◆梅、桃、そして県内各地では、いずれ桜も咲き乱れるだろう。忙しく過ぎる日々の中、春の花で華やぐまちの姿を見逃さないよう、たまには凝り固まった首を回し、顔を上げ、木々を見上げる時間を設けたい。(S)

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