寄稿 自民党茨城県連最高顧問 岡田 広氏 

0(ゼロ)災害のために

2025.07.31

寄稿 自民党茨城県連最高顧問 岡田 広氏 

自民党茨城県連最高顧問 岡田 広氏

基本を忠実に自然体で臨む

 老子の言葉に「上善如水(上善水の如し)」という言葉があります。上善如水とは、人生の理想的な生き方は水に学びなさい、という意味です。水が持つ性質、例えば万物に利益を与えながらも争わず、自然体で流れていく様子を人間の理想的な生き方に例えたものです。
 水は高いところから低いところへ流れます。それが自然の摂理です。どんなに高い立場になっても、会長や社長、市長になっても、水は常に下へ下へと庶民のところへ流れていきます。下積みの時の気持ちをいつも忘れるな、ということです。
 世阿弥の著書『花鏡』に「初心忘るべからず」という言葉が書かれています。この言葉は水の倫理であって、念願の「念」という漢字に通じます。「念」は「今」という漢字に「心」という漢字が組み合わさってできています。
 今、工事の無事故、無災害、0災害に向かって頑張ろうという気持ちをいつまでも忘れなければ、きっと現場の安全は続いていくのかと考えます。
 水のようにさわやかで力強く、自然体で生きることができたら最高の生き方です。水はどんなものでも洗い流してしまう、大きな包容力も持っています。
 また、水は手で掴むことはできません。両手で汲み取るものです。国民の心も家族の心も汲む、ということが適当です。私たちの仕事、生活でいえば、国民やお客様の心、家族の多様な意見にしっかり耳を傾けなさい、ということです。
 一杯の水が三杯、五杯になれば、岩石をも押し流す勢いを持ちます。水の持つエネルギー、爆発力ということです。
 0(ゼロ)からのスタートという言葉があります。日本では0は「ゼロ」や「れい」と呼びますが、アルファベットではO(おー)PQRのO(おー)と呼びます。フランス語の呼び方で、O(おー)は水という意味です。
 0(ゼロ)災害のために一番大切なことは、基本に忠実に自然体で現場に挑むことであり、0(ゼロ)災害を通して地域社会の発展のために貢献されることを心から願っています。

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